都市社会学がなぜ生まれたかと、新都市社会学について
- 都市社会学とはなにか
シカゴは最初、混血の毛皮商人が入植してできた小さな町であった。たくさんの人がおしよせて田舎町がいきなり都市になった。そこでさまざまな社会問題が起こった。英語が話せない移民たち、ギャング団、不良、悪い所、犯罪。
すみかや環境がわるくて健康を害する人が多いとか。それをなんとかしようといろいろ調査した。それがアメリカの社会学・社会調査のシカゴ学派となる。いろいろな質問して、データを出す。都市をよりよくするために人に訊く。
- 新都市社会学が出てきた経緯
都市にみられる社会現象を、都市を創りだしている外部社会、とりわけその資本主義体制との関連で捉えていく視点が弱いと批判して出てきた。
都市社会学入門―都市社会研究の理論と技法 (社会学研究シリーズ―理論と技法)
「都市が生み出す」現象の解明だけではなく「都市を生み出す」力の所在を探ろうというカステルの問題提起p131
素朴な経験主義に基づくフィールドワークに勤しむ無理論的性格が、国家や体制の存在を等閑視し、都市を社会主義の生産システムや投機のメカニズムから独立した存在として扱うなど、都市をめぐる全体性の認識を手放している点を批判した。
(南後由和)
マルクス主義の後継の構造主義的マルクス主義者L・アルチュセールをつかい、都市の中に経済・政治・イデオロギーの3つの重なりがあるとして分析した。→逆に人間が失われているという批判が出てくる。
よくわかる都市社会学 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)
なぜアメリカの社会学・社会学者・シカゴ学派がすごいのか、日本の社会学で重要かというと、偶然がかさなったから。英国ドイツフランスの知識人階級が弱かったから。ヨーロッパは大戦で、大量の移民・亡命知識人を出す。彼らがアメリカに行ったから。アメリカ南北戦争後、南部の黒人が北部へ移動→都市人口が増え問題になり解決する必要が出たから。
書斎の窓 2016年1月号 社会学はどこからきて,どこへ行くのか?④社会記述のこれから 北田暁大・岸政彦
書斎の窓 2016年3月号 社会学はどこからきて,どこへ行くのか?⑤社会学における「理解」 北田暁大・岸政彦
書斎の窓 2016年5月号 社会学はどこからきて,どこへ行くのか?⑥(最終回) 他者の合理性の理解社会学 北田暁大・岸政彦
2015年7月、9月11月号と2016年1月、3月、5月
有斐閣の「書斎の窓」に掲載されている。