岸政彦著「ビニール傘」芥川章候補の憶測:最終稿

せんせいと私(元ネタの四方田犬彦は読んでない。題名だけ。)

 banzaic feat cultural anthropologist Masahiko Kishi

 私は、文化人類学者岸政彦の前に批判者として現れた。私は、書いているうちに鶴見俊輔の前に現れた久野収でありたいと思うようになった。なので、芥川賞候補に選ばれたことは、私にはこう見えることを書きます。

 岸政彦先生は名古屋出身なので「織田がこね、羽柴がつきし天下餅、座りしままに食うは徳川」を具体的にご存知でしょう。

 

チキがこね太田がつきし学者餅

座りしままに食うは新潮、公安部チヨダ、内閣情報局

 

 岸政彦が餅ではない。岸政彦が出会った人一人一人がもち米のつぶで、その人たちの人生がつぶされて情報として一つのかたまりにされる。

 文化人類学者の同和行政への関与。解放同盟と菅野完・上杉聰の日本会議本の作者。那覇の沖縄人、大阪の沖縄県人会、在日韓国朝鮮系の人・日系外国人とのつながり。彼らのアイデンティティと政治への意識と関与の度合い。反レイシズム闘争を展開する野間易通。…。

 彼一人を獲ることで、「向こう側」の動きが手に取るようにわかると思いませんか?

 

 岸政彦氏を知るとはふるまいをみて「腑分け」する事ではない。彼の肩ごしに彼の目線から見て世の中をどうみているのかを知る事。それがよりその人を理解したことになる。本来ならばそれが正しいポルトレですが私はシステム全体を見る方に向かいました。

 ただ解せないのは、岸政彦夫人齋藤直子大阪市大特任教授が三重出身なのに知らないということです。奈良と三重あるいは滋賀の県境に、伊賀甲賀赤目があります。彼女は忍者と傀儡がえしを知る機会がなかった三重の人なのでしょうか。寓話から政治感覚の話として。

白土三平 「傀儡がえし」 少年/光文社1962年(昭和37年)11月号

マンガ黄金時代 ’60年代傑作集 (文春文庫 ビジュアル版)

 

最後に解説をシノドスのチキだけではないですが、語感として。(訂正;2017年9月18日。別人です)山本ぽてと氏は山本奈々子さんと同人物でしょうか。朝日出版より、上間陽子琉球教育学部教授を引っ張り出した太田出版の方がkeyでしょう。新潮社が週刊新潮であのえげつない新聞や電車中吊り広告で「今年の芥川章候補者はゆとり、金髪、しばき隊」ぐらいの炎上商法をついにやるのかと恐れたのですが、さすがにそれはなかった。作家タブーで良かった。出版不況といえど、マッチポンプはしないのですね。