奈良で起きている事
平成29年第69回正倉院展がつつがなく閉幕いたしました。この期間のために尽くしてくださいました研究者・学芸員の皆様いよいよご清祥のこととお喜び申し上げます。
第32回国民文化祭なら2017閉幕が今月末となりました。荒井知事の随意契約から始まった奈良ロゴマーク市民団体訴訟はどのような判断が下されるでしょうか。
水野学デザイン事務所制作の大会ロゴマークは「正倉院の宝物に描かれた動植物を円形に配置」してあると奈良県公式HPにあります。
奈良の者には良く見知った図案でございます。宮内庁正倉院と奈良女子大の研究成果である藤野千代(2012)『よみがえる天平文様』光村推古書院に依拠した土産のデザインは奈良では良く見かけます。
山本幸三地方創生相が今年の4月に「一番のがんは学芸員。この連中を一掃しないと」と言いました。奈良ロゴ問題における大学研究機関と学芸員の役割が評価されない事は地続きではないでしょうか。
先行者である女が成果物を後から来た者に奪われる悲劇をR・フランクリンは世紀の発見である二重螺旋で味わいました。「その写真を見たとたん、私は唖然として胸が早鐘の様に高鳴るのを」奈良市立西部図書館で味わいました。
今年8月NHKで放送された黒川開拓団の悲劇と11月山口放送での「奥底の悲しみ―引揚者の性暴力」でそれぞれ平井美帆氏と山本めゆ氏がweb上で、原著作者として意見表明しています。
安倍自民党政権は「明治以来の大学改革」を騙り、運営費交付金を減らし、大学自らの「稼ぐ力」を求めています。1984年仲曾根臨教審を起点とする国の大学研究機関への介入は、2015年の文科省の国立大に対する人文社会学系の縮小の通達で一段と厳しくなりました。
森友加計学園問題の如く、地方から東京へ、収奪と縁故主義そしてデュープロセスの無視がここ奈良県でも起きています。
荒井知事は国民いや人類の財産であるいにしえの奈良の土地をうっぱらって、儲けようとしています。助けてください。奈良の文化的収奪を知ってほしい。