前川きよしげ議員国会発言内容の全文引用

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前川きよしげと入力して出てきた平成28年3月29日の国会答弁をコピペした。昨日のブログのシールズからの質疑応答文字おこしに出た内容である。

委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十八年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行情報サービス局長高橋経一君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 平成二十八年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、集中的締めくくり質疑を六十九分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党十二分、民主党・新緑風会二十三分、公明党六分、日本共産党五分、おおさか維新の会五分、維新の党三分、日本のこころを大切にする党三分、日本を元気にする会・無所属会三分、社会民主党・護憲連合三分、無所属クラブ三分、新党改革無所属の会三分とすること、質疑順位につきましてはお手元の通告表のとおりでございます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、これより締めくくり質疑に入ります。前川清成君。
前川清成 おはようございます。参議院奈良県選挙区の前川清成でございます。
 総理、連日お疲れさまでございます。去年の安保国会から数えまして、この半年間で総理と四回議論させていただくことになります。このような機会を頂戴した民進党の先輩、同僚の皆さん方に感謝を申し上げたいと思います。
 総理、今日も是非、幼い我が子に育み教えるような気持ちで御答弁いただいたならば、テレビを通してアベノミクスも世間に伝わるのではないか、こんなふうに思っております。
 それで、まず冒頭お聞きしたいのは、衆参の予算委員会を通じて再三議論されましたのは、格差が拡大している、これによって若者や子供たちが将来に希望を持てなくなっているのではないかと、こういうことでした。総理は、格差が拡大しているということについて御認識がございますでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) いわゆる相対的貧困率が緩やかに増加をしている、これは二〇一二年まででございますから、安倍政権が誕生する寸前までのことではございますが、厚生労働省国民生活基礎調査及び総務省全国消費実態調査のどちらで見ても、長期的な傾向としてはおおむね緩やかに上昇しています。この背景には、高齢者の増加等が影響していると考えられるわけであります。つまり、高齢者の方々、六十五歳以上の方々が増えているわけでございまして、他方、ジニ係数の動向を見ますと、我が国の場合、当初の所得に比較して、税や社会保障による再分配後の所得の格差はおおむね横ばいで推移していると、このように考えております。
前川清成 一番のパネルをお願いしたいと思います。(資料提示)まず、これは総理も何度も耳にされたと思います。安倍内閣になって実質賃金が下がり続けています。実質賃金が下がり続けるということになれば、暮らしは厳しくなるばかりです。
 二番目のパネルをお願いしたいと思います。格差が拡大していると。ジニ係数について総理から言及がございましたが、相対的貧困率一六%を超えたと、このことについては、総理はどうお感じでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) この相対的貧困率につきましては、これは委員も御承知のことだろうと思いますが、絶対的貧困率とは違うわけでございまして、絶対的貧困率は、言わば必要最低限の生活水準を維持するために必要な物資を購入できる所得水準に達していない人々がその国の全人口に占める割合でありますが、当然、これは先進諸国におきましては、これは低い。我が国も当然これは低いわけでありますが、相対的貧困率は、購買力や生活水準よりも国内の所得の分布や格差に注目する指標であるため、豊かな先進国でも高い割合が示されることになるわけでありまして、格差はそれが階層の固定につながらないよう政策的に対応すべき課題であると、こう考えております。しかし、それはすなわち貧困そのものと同義語ではないというのは、これは委員も御承知のとおりだろうと、こう思うところでございますが、こうした動き等々については、先ほども申し上げましたが、言わば高齢者が増えたことによって我が国は緩やかに上昇をしている。
 いずれにいたしましても、格差が固定化しないということが大切であろうと思いますし、また我々、社会において容認できない水準にならないように注視をしていく必要があるんだろうと、また対応していく必要があるんだろうと思います。
前川清成 今の御答弁に対して、二点お尋ねしたいと思います。
 総理は、この相対的貧困の上昇について否定的なお考えは持っておられないのでしょうか。それと、誠に恐縮ですが、相対的貧困と言われてもなかなかテレビを御覧の皆さん分かりにくいと思いますので、もう少し分かりやすく御説明いただけたら有り難いと思います。
内閣総理大臣安倍晋三君) 正しく分析をすることが必要でございますから、なぜこれは上昇しているかということにつきましては、言わば高齢者が増えているということに関して、例えば、これ、相対的貧困率については二〇一二年、つまり民主党政権のときまでしか数値が出ておりませんから安倍政権のときの数値というのは分からないんですが、例えば現在まで数値があるとしても、生産人口は三百三十五万人、これ減っているということは、それはつまり六十五歳以上になっていった団塊の世代が、団塊の世代が六十五歳を超えていく、つまり六十五歳以上の人口は他方増えているということになるのではないかと、こう思うわけでありますが、当然そうなりますと、言わば正規雇用が大体終わる、定年を迎えるわけでございまして、非正規になる、あるいは年金の生活になっていくことによって当然所得は減少していくということになっていくんだろうと、こう思うわけでございます。
 そこで、先ほども申し上げたように、相対的貧困率絶対的貧困率とは違うということを先ほど御説明をさせていただいたところでございまして、絶対的貧困率は、先ほども説明をさせていただいたところでありますが、これは生活水準を維持するために必要な物資を購入できる所得水準に達していない人々がその国の全人口に占める割合でありまして、当然これは豊かな国々、日本のような先進国の比率は低い、絶対的貧困率は低いわけでございますが、相対的貧困率は、これは先ほども説明をさせていただきましたが、購買力や生活水準よりも国内の所得の分布や格差に注目する指標であるわけであります。貧困率の算出の根拠となる所得の中央値の二分の一の水準ということに、それ以下になる割合を示しているものでありまして、それは、中央値はその国の所得の水準によってそれぞれ異なるものであろうと、このように考えております。
前川清成 所得の中央値の二分の一以下ということですけれども、今の日本においては、例えば四人家族ですとどれぐらいの暮らしぶりになるんでしょうか。
国務大臣塩崎恭久君) 先ほど総理から答弁申し上げたように、等価可処分所得の中央値の半額に満たない方々の割合を示すというのが相対的貧困率でございます。
 今、貧困線というのはどこにあるかといいますと、名目値で百二十二万円というのが国民生活基礎調査による貧困線になるわけでございますので、それ以下の方々についての指標が相対的貧困率ということで、傾向としては、先ほど総理から答弁申し上げたように、増加傾向にあるということでありますから、当然これはよく見ていかなきゃいけない指標の一つでありますけれども、現物給付が入っていないと。例えば保育料を軽減するとか、そういうこととか、介護でもそうですけれども、現物で行った場合のことについては入らないので、そちらばかりやっていれば、現金をやらないとこれが改善されないというようなこともありますから、総合的にいろんな指標を見ていくことが大事だということを先ほど総理が答弁したわけでございます。
前川清成 それでしたら、総理、四人家族でありますと、およそ五百万円弱、年収五百万円弱が相対的貧困という理解でよろしいんでしょうか、違うんでしょうか。
国務大臣塩崎恭久君) 先ほど申し上げた等価可処分所得というのは、ちょうど四百八十八万円割る四のルート、これが二百四十四万円で、その半分が貧困線ということで百二十二万円ということになりますので、この場合には四人ということで計算を今しているわけではございませんが、そのようなことで計算をしているということでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと皆さん、お静かにひとつ。前川先生の質疑を聞いてください。
前川清成 もう一度お聞きします。
 お父さん、お母さん、子供二人、四人家族では、年収幾ら以下が相対的貧困ですか。
国務大臣塩崎恭久君) さっき申し上げたように、この四百八十八万円というのが四人のちょうど平均値ということで、その半分で二百四十四万、ルート四でなっているわけで、貧困線はさっき申し上げたとおり、そのまた半分ということで百二十二万円ということになっているわけでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 前川清成君、質問して、もう一回。(発言する者あり)
国務大臣塩崎恭久君) 先ほど、四人で五百万というお話がありました。今私の手元にあるのは四人で四百八十八万円の場合というのがございまして、これを、四人ですから、家族が、ルート四で割ってこれが二百四十四万で、その半分が貧困線、これが百二十二万という貧困線だということを申し上げて、そこから下であれば当然この中に、貧困率の中にカウントされると、こういうことでございます。
前川清成 大臣、それでしたら、独り暮らしであろうと四人家族であろうと、年収百二十万以下が相対的貧困というお答えですか。
国務大臣塩崎恭久君) 計算式は、所得が家計であって、その中の四人、四人なら四人でルート四で割ったものがその等価可処分所得で、その半分が貧困線だということを申し上げているので、ですから、それは条件を与えていただいて、幾らの場合、家族が二人なら二人、それで割り算をするということでありますので、今の、どういう場合をおっしゃったのか、ちょっともう一回……(発言する者あり)だから、四人は先ほど申し上げたとおりでありまして、五百万とおっしゃったから、五百万とおっしゃったから、今私の手元にあるのは四百八十八万でルート四、つまり家族四人の場合のケースを割り戻せば二百四十四万が等価可処分所得で、その半分が貧困線であるということを百二十二万という線が出てきて、そこから下が貧困線の中に入ってくるということになるわけであります。
前川清成 この相対的貧困という言葉自体を正しく御理解にならずに格差や貧困について議論しているというのは、私、ちょっとびっくりぽんなんですけど、もちろん、四人家族で五百万というのが相対的貧困のラインではないですよ。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっとあれですか、今五百万というのは相対的貧困に入るかどうかということですか。
前川清成 ないですよと。
○委員長(岸宏一君) ないですよと。
 じゃ、ちょっと質問を続けてください。前川清成君。
前川清成 そうしたら、もう一度聞きます。
 一人世帯であったら幾ら、年収幾ら以下、四人家族だったら幾ら以下、六人家族だったら幾ら以下が相対的貧困ですか。
国務大臣塩崎恭久君) さっき申し上げたように、四人のときは二百四十四万で、一人の場合には百二十二万ということであります。
前川清成 相対的貧困といっても、こういう御答弁のありようでは、本当に人ごととして考えておられるような私は気がします。
 パネルの二をお示ししたいと思います。相対的貧困とか言われても、総理も、あるいは厚生労働大臣もこのようなお答えですので、やっぱりテレビを御覧の皆さん方分かりにくいと思います。それで、赤い線を御覧いただきたいんですが、これは金融資産を全く持たないとお答えになった御家庭です。預貯金が一円もないという意味です。これが三割を超えてしまいました。金融資産を全く持たない、預貯金が一円もないということは、病気で働けなくなったら、あるいは失業したら直ちに生活が成り立たないと、子供の入学金などまとまったお金を出せないということです。こんな御家庭が三割を超えていると。
 もう格差というよりは、私は貧困が広がっているのではないかと、こういうふうに考えるんですが、総理、いかがでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 質問通告はなかったんですが、お答えをさせていただきますが、御指摘の金融広報中央委員会が実施した調査によれば、二〇一五年の貯蓄がない世帯の割合は二〇一一年に比べて増加していることは事実であります。ただし、金融広報中央委員会の調査では、日常的な出し入れ、引き落としに用いられる部分、口座ですね、については貯蓄としてカウントされません。こうした貯蓄のみを持つ世帯については貯蓄なし世帯として扱われているわけであります。つまり、日常的な出し入れ、引き落とし用に用いられる口座、これは多くの方々が持っておられるわけでありますが、これはカウントされないわけでございます。
 今、言わば定期預金が非常に金利が下がっている中においては、大体こちらを主流とされる方が多いという意見もあるわけでありますが、日常的な口座も貯蓄としてカウントする、これは、総務省に家計調査がこれはあります。こちらも……(発言する者あり)済みません、ちょっと静かにしていただけますか。日常的な口座も貯蓄としてカウントする総務省家計調査によると、貯蓄がない世帯の割合は二〇一二年から二〇一四年にかけて三・八%から三・五%に低下をしているということでございます。
前川清成 総理、今の私たちの社会で日常的な口座、つまりは銀行の普通預金がなければ携帯電話の引き落としもできませんし、電気代もガス代も払えません。そのことを御認識いただいた上で、いや、みんな預貯金を持っているんだと、そういうふうに胸を張っておられるんですか。それだと私はちょっと認識が違うと思います。いかがですか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 今、胸を張ったわけではなくて、事実を、こういう分析を、やはり正確に分析をしなければいけませんから、様々な角度で見るべきだということを申し上げたわけでありまして、言わば非常に低金利の中でどういう動きをしているかということも含めて申し上げているところでございます。
前川清成 三番目のパネルを御覧いただきたいと思います。これ、格差が拡大して貧困が広がっている中で、子育てに、そして教育にお金が掛かるということです。大学の学費を例に挙げさせていただきますと、パネルの一番下の線、紫の線ですが、この四十年間で消費者物価は二倍になっておりません。しかし、国立大学の学費は十倍になっております。
 なぜ国立大学の学費がこれほど高騰したんでしょうか。
国務大臣馳浩君) 昭和四十年代や五十年代などにおける大学の授業料は現在と比べて廉価であり、その後、社会経済情勢の変化等に応じて上昇していることは、これは事実でありますが、国立大学の授業料については、高等教育の機会提供という役割を踏まえつつ、私立大学の授業料の水準や大学教育を受ける者と受けない者との公平の観点などの様々な社会経済情勢などを総合的に勘案して設定をしております。
前川清成 国立大学の現在の授業料が八十一万七千円です。今、働く方の四割が非正規雇用です。非正規雇用の方の平均年収は百七十一万円です。百七十一万円の親の収入で八十一万七千八百円の学費、負担することができるでしょうか、文科大臣。
国務大臣馳浩君) 現実においては大変厳しい状況にあるというふうに認識を持っております。
前川清成 文科大臣、それでどうされるんですか。
国務大臣馳浩君) まず、国立大学の授業料についてですが、平成十七年度の標準額の改定以降、最近の十年間は引上げを行っておりません。平成二十八年度予算案においても、授業料標準額について対前年度同額の五十三万五千八百円といたしまして、引上げを行っておりません。
 また、私立大学の授業料については、設置者である学校法人により個別に定められているところでありますが、教育研究の充実に係る支出等を賄うため、必要な授業料を設定していると考えております。
 そこで、文科省としては、基本的には学生に対してできるだけ教育費負担を掛けないようにしていく必要があると考えており、大学の授業料については、国立、私立大学において家計の状況等に応じた授業料減免を促すための予算上の措置を年々充実しております。
 今後とも、経済的理由により学生等が進学を断念することがないように、教育費負担の軽減を努めてまいりたいと思います。
前川清成 パネルの四番を御覧いただきたいと思います。文科大臣るるおっしゃいましたけれども、結局、我が国の政治が教育や子育てに冷たいからではないのかと。これは、先進国の中で公的支出、GDP比で日本が最低、先進国の中で最低という数字であります。
 五番のパネルをお見せしたいと思います。先ほど文科大臣、この何年間か国立大学の授業料を上げていないんだというふうに胸をお張りになりましたけれども、この棒グラフを御覧いただいたらお分かりのとおり、親の賃金は下がり続けています。かつ、これに反比例して、奨学金を受け取る子供たちが増え続けています。
 今、大学生の二人に一人が奨学金を受け取っています。奨学金を借りたならば、卒業後は原則金利も付けて返さなければなりません。しかし、先ほど申し上げたとおり、非正規が四割、平均年収が百七十一万円。正社員になれなくても、この奨学金返していくことができるんでしょうか。
国務大臣馳浩君) まず、授業料については減免制度があるということは御承知だと思います。この奨学金についても、年々事業を拡充してきていることは御理解いただけていると思います。有利子から無利子へ、また返還の猶予制度等もございますし、もちろん限られた財源の中ではありますけれども、できる限り負担を掛けないように、また返済の負担についても配慮をしながら取り組んできているということは事実であります。
前川清成 大臣の答弁の中で出てまいりました。したがいまして、通告はしておりませんので触れずにいこうかなと思ったんですが、二度おっしゃいましたので、あえてお聞きしたいと思います。
 その授業料の減免制度、どのような要件で受けることができるのか、どの程度の割合で学生たちがこれを受け取っているのか、その制度を利用しているのか、お教えください。
国務大臣馳浩君) ちょっと具体的なことなので、ちょっと資料を見ながらお答えさせていただきますが、平成まず二十七年度予算で、国立大学は三百七億円、これは減免対象人数が五万七千人ほどでありました。これを平成二十八年度予算案においては三百二十億円、およそ十二億円増としておりまして、減免対象の人数は約五万九千人といたしております。また、私立大学については、平成二十七年度予算では八十五億円であります。これは対象人数が約四万二千人であります。これを平成二十八年度の予算案におきましては八十六億円、約一億円増ということで、対象人数は約四万五千人、約三千人増という形で対応いたしております。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 大臣、どういう場合に減免になるかという。
 馳文部科学大臣
国務大臣馳浩君) 失礼いたしました。資料に基づいて正確に答えさせていただきます。
 実は、世帯数を一人世帯から七人世帯までまず分類をいたしております。それから、学部別あるいは大学院修士課程、専門職学位課程といった学部の別、また大学院の別等によっても細かくまず分類をしておりまして、例えば一人世帯であれば百六十七万円以下、二人世帯であれば二百六十六万円以下、三人世帯であれば三百六万円以下、四人世帯であれば三百三十四万円以下、五人世帯であれば三百六十万円以下、六人世帯であれば三百七十八万円以下、七人世帯であれば三百九十五万円以下、これは学部段階でありますので、結構こういうふうに細かい分類でありますが、分けて要件を定めております。
前川清成 先ほどもお尋ねしたんですが、どれぐらいの割合の学生が利用しているのかについてお答えいただいておりません。今およそ十一万人ですよね、国立大学と私立大学と合わせて。ということは、私分かりませんが、大学生って全部でどれぐらいおるんですか。十一万人というのが相当な割合なんですか、ごく一部なんですか。
国務大臣馳浩君) 失礼しました、ちょっと通告がなかったものですから。
 大体、大学に在籍している学生は二百六十万人前後でありますので、そのうちの十数万人というふうにすれば、割合はそんなに多くはないというふうには言えると思います。
前川清成 通告がなければとおっしゃるけれども、これは大臣の御答弁の中から出てきたので、それに応じて私はお尋ねしただけですので。
 それと、今二人に一人の子供たちが奨学金を受け取っています。しかし、先ほど申し上げたように、四割が非正規雇用で、非正規雇用の平均年収が百七十一万円。その結果、六番のパネルを、多くの若い皆さん方が返済が厳しいというふうにおっしゃっています。その結果、結婚をためらったり、出産や子育てをためらっています。
 結果として、日本の最も根源的な問題、つまり少子高齢化を加速してしまうのではないかと私は考えますが、総理、そのような御認識はありませんでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) まず、大切なことは、今これは奨学金との関わりで質問されているわけですね。奨学金につきましては、これは別にどの政権、どの政権ということではなくて、それぞれの政権において、こうした状況に対応するために充実に努めてきたところでございます。我々も、先ほど馳大臣からお答えをさせていただきましたように、こうした形で進めております。
 また、例えば、養護施設に入っているお子さんたちについては、施設から出られる場合、大学に進学される場合は、二十七年の補正予算におきまして、これは五年間勤めていただければ返していただかなくてもいい形、事実上ですね、給付型のものをスタートしたわけでありまして、これは五万円でございますが、住宅に対する補助も出ますから、別途、五万円に更に、高いところでは五万円出ますので十万円以上出るところもございます。
 そうしたものを、これは我々の政権からスタートしたわけでございますが、そういうまず最も必要としておられる方々のところから始めていくということでありまして、それぞれが努力をしているんですから、それは、全くあなたたちが逆の方向に行っているかのごとくの質問は、私はそれはおかしいのではないかと、こう思うわけでありまして、まだまだそれでも努力ももっとする必要はあると思いますよ、これからも更に努力をしていきたいと、こう考えておるところでございます。
前川清成 総理、是非この御努力を続けていただきたいと思います。
 それで、結局、奨学金というのは借金ですよね。だから、返していかなければいけないわけですが、先ほど見ていただいたとおり、大学の学費が高いのではないか、高過ぎるのではないか。
 総理、覚えておられないと思いますけれども、第一次安倍政権当時、二〇〇六年十一月ですが、私、参議院の本会議で質問に立たせていただいて、親の財布の重さで子供たちの未来に差があってはならないというふうに申し上げました。民主党政権でその初めの一歩、高校授業料無償化が実現しました。
 すぐにとは申しません、全部ただにとは言いませんが、せめてこの大学の学費が半分になる、そういう御努力、御検討をお願いできませんでしょうか。
国務大臣馳浩君) 大学の授業料については、各大学の経営の状況もありますし、また国立大学においても先ほど申し上げたような状況によって設定をされているという状況でありますから、このことを踏まえて今後とも授業料の標準額を定めなければなりませんし、同時に、私学においては各法人において定められるものと、こういうふうに承知をしております。
前川清成 仮に私学であっても、それは私学助成をどれだけ出すのかと、もちろん国立も含めて、結局は税金の使い方の問題だと思うんです。
 総理、せめて御検討いただけませんでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 私どもも、奨学金につきましては無利子奨学金を増やしていく、あるいはまた、大学の授業料減免を、これを増やしていくという政策を進めているわけであります。安倍政権におきましてもこの三年間で進めているということにつきましてはお話をさせていただいたと。
 更にこれは努力をしていきたいということでありますが、現在、我々はそうした政策を進めてきた結果、年収三百万円以下の世帯の学生については、これは学力の、先ほども少し説明をさせていただきましたが、学力の基準を満たせば無利子奨学金は全員に貸与でありますし、国立大学ではほぼ全員が授業料減免の対象となっているということも事実でございます。
 これは半額にせよということでございますが、我々はまずそうしたことを、できることからしっかりとやっていきたい。当然、そうしたものには財源の確保も必要でございます。ということも含めまして、しっかりと考えていきたいと思います。
前川清成 河野大臣、通告しておりませんが、恐縮なんですが、今財源というお話がありました。無駄遣いをどんどんカットしていただいて、その財源、何とか捻出できませんでしょうか。
国務大臣河野太郎君) 予算の中に無駄があるということは許されることではございませんので、そこは行革担当大臣としてしっかり見てまいりたいと思います。
前川清成 このように、学費が高騰している、多くの学生たちが奨学金の返済に困っている、苦労しているという中で、安倍政権において、教育資金に充てる贈与であったら贈与税が免除されるという仕組みができ上がりました。
 これはいつ始まったどのような仕組みで、どのような方が対象なのか、御説明をお願いいたします。
国務大臣麻生太郎君) 委員の御指摘は、教育資金の一括贈与に係る非課税措置、この話だと存じますが、これは、高齢者層からいわゆる消費が、消費意欲が高いというか、消費のあれが極めて高い若年層への資産の早期移転というものを促して、需要を安定的に拡大させるということを通じて経済の活性化につなげていく効果を期待しているものでして、デフレ脱却、経済再生等々を早期に実現するために必要な制度と考えております。
 ただ、この反面、気を付けておきませんと、資産というものが子や孫といった家族内のみにおいて非課税で承継されるということになりますと格差の固定化につながりかねない面があることは、これは十分に認識をいたしておりますので、資産の再配分、再配分じゃない、再分配機能が大きく損なわれるということがないように、これは時限的なものにとどめております。適用期限として平成三十一年三月末を迎える際に、その適用状況等々影響を見極めながら必要な見直しは検討させていただきたいと考えております。
前川清成 大臣、いつ始まった仕組みで、金額はどれぐらいで、どのような子供たちが利用することができるんでしょう。
国務大臣麻生太郎君) 平成二十五年度にスタートさせていただいたと存じますが、子や孫ごとに千五百万円を非課税とさせていただくという前提にさせていただいておりまして、孫らが三十歳に達する日に口座等は終了ということにさせていただいた、基本的にはそういう制度であります。
前川清成 木曜日に税制に関して総理や大臣と議論させていただきました。その際に、私は、貧乏人のひがみかもしれませんが、安倍政権の税制が金持ち目線ではないかというふうに申し上げました。
 この教育資金贈与信託の仕組み、今、麻生大臣から説明がありましたけれども、安倍内閣がスタートして最初の税制改正で実現をしました。おじいちゃん、おばあちゃんが、孫の教育資金のためということであれば、孫一人当たり千五百万円まで贈与税がただ、孫はそれを使って三十歳まで勉強を続けることができるという仕組みです。孫が四人いたら、おじいちゃん、おばあちゃんは六千万円まで無税で贈与できます。したがいまして、これ、信託銀行は盛んに相続税対策というふうに宣伝をしています。
 しかし、私で調べさせてもらいましたところ、去年の九月時点でこの贈与信託を利用している件数、契約件数は十四万一千六百五十五件です。三十歳未満の人口が三千四百九十六万人です。全てが勉強を続けているわけではありませんが、率にすると〇・四一%、二十歳未満の子供の人口が二千二百十六万人です。この十四万一千六百五十五件、割合にすると〇・六四%です。つまり、おじいちゃん、おばあちゃんから援助を受けることができるのは、僅か二百人に一人の恵まれた子供たちだけなんです。
 教育にお金が掛かる一方で、格差が拡大していく一方で、ごく一部の子供たちだけが恩恵を受ける、これでは私は更に教育格差が拡大してしまう、格差が固定してしまうというふうに思うんですが、総理、いかがでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) これは考え方の問題でもあろうと思います。
 この政策を我々導入をいたしましたのは、これは需要の安定的拡大を図るという観点から高齢者層から若年層への資産の早期移転を促す、これは様々な政策を使ってそれを行っていこうという中の一つの一環でありまして、それが例えば教育の分野においてはこういうことがあるなということ、その観点からつくったわけでございます。
 他方、もちろん、格差が固定しない、あるいは許容し得ない格差が生じない社会を構築していくことも重要な課題であり、教育の分野においてもそうなんだろうと、これは委員の御指摘のとおりだろうと思います。このため、再分配機能の回復を図る観点から、相続税については基礎控除の引下げ等の改正を行い、昨年一月から実施をされているところでございます。
前川清成 是非格差が固定しないように、配分だけではなく税制も含めて、これも党派を超えて私は議論し努力していかなければならないと思っています。
 それで、時間の都合もありますので次のテーマに移りたいんですが、政治と金の問題、甘利大臣の問題もこの衆参の予算委員会で再三議論されました。そして、甘利大臣、辞任会見の際も、あるいは国会の答弁でもしっかり調査して説明するというふうにお約束になっていますが、辞任会見以降いまだ何ら説明もありません。
 この予算委員会が終わってしまうと結局うやむやになってしまうのではないか、甘利大臣が説明する機会さえなくなってしまうのではないかと、こういうふうに思うんですが、この点、総理、いかがでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 政治資金の在り方については、内閣、与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が国民の信頼が得られるよう、自ら襟を正し、説明責任を果たすべきものであると考えています。
 甘利前大臣においても、さきの記者会見の中で引き続き調査を進め公表すると語っておりまして、今後ともしっかりと説明責任を果たしていかれるものと考えております。
前川清成 総理、私がお尋ねしたのは、この予算委員会が終わってしまうと、もう甘利大臣、説明ではなくて、もしかすると、甘利大臣、弁明したい、そういうお気持ちをお持ちかもしれません、その機会自体なくなってしまうのではないでしょうかということをお尋ねしているんです。いかがでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 委員会の運営におきましては委員会で御決定されるものと、このように考えております。
前川清成 私、地元の奈良で、ある自民党の支持者の方から、六十歳ぐらいの男性の方でしたけれども、金があるから、いや、力があるから金を持ってくるんだ、そんなん当たり前やとみんな思っていると、だから甘利さんが辞任しても内閣支持率は下がらなかったんだと、こういうふうに言われてしまいました。それだったら、私は別にかい性なしでも構わないと思っています。
 私は、国会議員になって十二年になりますが、企業からも、あるいは労働組合からも一円も政治献金をいただかずにやってくることができました。政治資金パーティーも一度もやっていません。国民の皆さん方が、政治家が裏で汚いことをやっていると、こういうふうな政治不信をお持ちになったら、財政の健全化も社会保障の改革も進まないと思います。
 そこで、自民党も企業から献金をもらわない、民進党労働組合含めて政治献金をもらわない、政治資金規正法を改正して政治資金パーティーを禁止する、企業・団体献金を禁止する、是非この甘利大臣の事件を契機に御決断をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 政治のコストをどのようにこれは賄っていくかということは、これは重要な問題であり、これは各党各会派で十分に話が行われるべきものと、こう考えるわけでございますが、自由民主党の考え方としては、基本的にお金で政治を曲げてはいけない、政策を曲げてはいけないと。これは、個人であれ企業であれ団体であれ、これは同じことであろうと我々は考えているわけでございまして、企業であるからいけないというふうには考えていないわけでありまして、我々は、企業、団体、もちろん個人の献金も浄財として受け取っているところでございます。
 また、おおさか維新の会は、企業・団体献金はいけないという考え方の下にそれは一切受け取っていないというふうに承知をしているわけでありますが、御党におきましては、前川委員はそうかもしれませんが、御党としては、現状では企業・団体献金も受けておられるというふうに承知をしているわけでございます。
 我が党としては、こういう考え方の下に浄財をいただき、そしてその中におきまして、そのお金によって政治、政策が曲げられてはならない、この原則の下に襟を正していきたいと、こう考えているところでございます。
前川清成 私がこの世界に来る前のことですけれども、政治のコストに関しては議論されて、一九九四年に政党助成金という制度がスタートしたと。その際に、与野党間で五年以内に企業・団体献金を禁止しましょうねというふうな約束があったというふうに聞いております。総理はその当時は国会にいらっしゃったのかどうか分かりませんが、その一九九四年当時の与野党の合意というのを私はもう一度振り返らなければならないと思っています。
 これも総理の答弁の中から出てきましたので、通告しておりませんが、今の点についてお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
内閣総理大臣安倍晋三君) 私はもう当選をしておりましたが、当時まだ当選一回、初々しい時代でございましたが。
 政治改革の議論の中で、政党助成制度は、政策本位、政党本位の政治を目指す理念の下、企業・団体献金を政党等に限定することに併せて提案されたものでありまして、その際、個々の政治家の資金管理団体に対する企業・団体献金については五年後に廃止するものとされ、そのとおりこれは五年後に廃止をされたわけであります。
 他方で、政党等に対する企業・団体献金の在り方については各党間で合意に至らなかったものと承知をしておりますが、いずれにせよ、政治に関わる費用の在り方については、民主主義の費用をどのように国民の皆様に負担をしていただくという観点から、各党各会派において御議論をいただきたいと思います。
前川清成 今の質問は、総理、全く通告もさせていただいていないんですが、このように明快にすらすらと御答弁いただきました。通告していないじゃないかという御批判は程々にしていただけたらと思います。
 その上で、大臣には裁量権もあります、職務権限もあります。それなのに、先日、野田さんの質問でありましたけれども、安倍内閣では、二〇一三年、二〇一四年の二年間に大臣の皆さん方らが、副大臣も含むんだと思いますが、合計三百六十回政治資金パーティーを開催した。こうなると、当然、関係する業界団体もパーティー券を購入することになると思います。これは、国民の皆様方から見ると癒着にならないのか。せめて大臣在任中は政治資金パーティーをやらない、企業・団体献金を受け取らない、大臣、副大臣政務官規範を改正してはどうかと考えますが、総理、いかがでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 今言われた政治資金パーティー等でありますが、この大臣規範の中において、大臣、副大臣政務官がパーティーを開催をしているものと承知をしているわけでございます。
 いずれにいたしましても、政治資金規正法にのっとって正しく政治資金を処理をしていく、そしてまた、お金でもって政策や政治をゆがめてはならないと、このように考えております。
前川清成 総理、私は、金で政治がゆがめられてはならない、当たり前だと思います。さらに加えて、国民の皆さん方が、政治家が裏で汚いことをやっていると、そういう疑念を爪から先も持たれてはならないと。だから、百歩譲って、百歩譲って、せめて大臣在任中は政治資金パーティーをやらない、企業・団体献金を受け取らない、このことを御決断いただけないかと、こういうふうに申し上げているんですが、総理、いかがでしょう。
内閣総理大臣安倍晋三君) 大規模な政治資金パーティーの自粛、そして企業・団体献金の政党等に対するものへの限定など、長い期間を掛けて様々な取組がなされてきたところでありまして、安倍政権としても、これらのルールにのっとって政治資金を適正に取り扱っていくことは当然のことであろうと、このように認識をしているところでございますが、先ほど申し上げましたように、これは、企業であろうと団体であろうと個人であろうとこれは同じでございまして、言わば我々は個人献金だから良くて団体献金なら駄目だというふうには考えていないわけでありまして、要はそのことによって政治や政策がねじ曲げられてはならないと、こう考えているところでございます。
前川清成 残念であります。
 その上で、総理、時間もありますので、今日、安保法が施行されました。昨年、まさに国論を二分する中で、最後はあのような形で採決となりました。総理は成立後、記者会見をされて、今後も粘り強く丁寧に説明するというふうにお述べになったんですが、これまでどのような説明をしていただいたでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 成立後も国会において議論する機会もございました。そしてまた、首相官邸ホームページを通じて法制の必要性や趣旨、目的、具体的内容について御説明も行っているところでございますし、また、党におきましてパンフレット等を作りまして、各議員の集会あるいは講演会等を通じて説明を行っているところでございます。また、私自身も、記者会見や講演、マスコミの取材の機会などを捉えて説明に努めてきたところでございます。
前川清成 私たちも、総理と同様に、国を守ること、国民の命や財産を守ることは政治に課せられた最も大事な仕事だと確信しています。しかし、その考え方に立ったとしても、日本を守るために集団的自衛権は必要ないというふうに考えています。考え方が異なったとしても、お互い事実を国民の皆さん方に説明をする、ミスリード、うその説明はしてはならないというふうに思っています。
 総理、この点はいかがでしょうか。(発言する者あり)
内閣総理大臣安倍晋三君) もちろん、説明等には正確を期していきたいと考えております。
前川清成 今、品のないやじもありましたけれども、その点で、実は三月二十二日の読売新聞の朝刊に……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛にお願いします。静粛に。
前川清成 今席を外しておられます、戻られてからお尋ねしようと思っていたのですが、やじがありましたのでこの時点でお聞きしたいと思うんですが、菅官房長官は、国民的にも議論してほしいのは民主党共産党などの野党五党が安保法制の廃止で結集することだ、現実にこれだけ北朝鮮が核実験や弾道ミサイルを発射していると、安保法制がなくては政府として国民の命、平和な暮らしに責任が持てない、こういうふうに言っておられます。
 去年の七月にもこの点で総理と議論させていただきましたけれども、北朝鮮のミサイルあるいは中国の海洋進出、これと集団的自衛権、関係がないということでよろしいですよね。
内閣総理大臣安倍晋三君) 北朝鮮のミサイル発射に対する対応としては、まさに我々は助け合うことのできる、日本を守るためには助け合うことのできる同盟となったわけでありまして、それは間違いなくきずなを強めるわけでございます。先般の弾道ミサイル発射の際にも、従来よりも増して日米は情報の共有体制を構築していく上における対応についてもはるかに協力は進んだわけでありまして、その点は、ハリス太平洋軍の司令官はそう述べているわけでございますし……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛にお願いします。
内閣総理大臣安倍晋三君) 我々も実際この対応に当たってそれを実感をしているところでございます。
 これはまさに、もちろん法制は今日からスタートするわけでありますが、しかし、これはまさにこの平和安全法制の制定とガイドラインの改定をこれ併せ、まさに日本を守るためということについては、助け合うことのできる同盟は、まさに同盟のきずなを強化したということの証左ではないかと、こう思っているところでございます。
前川清成 総理、安保法は今日施行されましたので、先日のミサイル発射と日米の情報共有が進んだと、これは関係のない話ですよね。
内閣総理大臣安倍晋三君) これは、言わば防衛のこれ本質については若干御理解をいただいていないのではないかと思いますが、まさに法制は今日からスタートします。しかし、同盟は、現場で仕事をする米軍、自衛隊、これはお互いの信頼関係が大切であって、ここにお互いに信頼できるという姿勢ができたということは、当然日本に対して、これはアメリカ側の気持ちになって考えてみればこれ簡単なことであろうと思いますが、いざというときにはお互いに助け合うことができるようになった同盟においては、今までよりも相手に情報を提供していこう、そういう中においては前広にこれは情報を提供しながら協力体制を構築をしていこうということになるわけでありまして、私は、ファクトを述べているわけでございます。
前川清成 八番のパネルを御覧いただきたいと思います。これは、去年の七月もこのパネルを使って総理にお尋ねをさせていただきました。上が強行採決された安保法、改正後の、今日施行された安保法に基づく自衛隊法の改正後の姿です。下がそれまでの自衛隊法です。
 その際もお尋ねをしましたが、もしも北朝鮮が日本に対してミサイルを発射したならば、改正前の自衛隊法七十六条一項に言うところの我が国に対する外部からの武力攻撃に該当する、したがって、この条文に基づいて自衛隊に総理が出動を命じることができると、こういうことで間違いはないと思いますし、七月には総理もそのようにお答えいただきましたけれども、いかがでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 法制上は、今委員が言われたとおりでございます。
前川清成 そうであれば、北朝鮮がミサイルを撃ったから、北朝鮮が核実験をやったから集団的自衛権が必要だというのは論理が飛躍していると思いますが、いかがですか。
内閣総理大臣安倍晋三君) これは、直ちにそこで私が、例えば存立危機事態、まだ法が成立をしていないわけでありますから、この存立危機事態ということについてそう認定して総理大臣としてこの集団的自衛権の行使について判断をするということには、それはそう簡単にはもちろんならないわけでありますが、しかし、今申し上げましたように、同盟の質が、まさにお互いに、日本を守るためであれば、日本を守るという三要件に当てはまればこれはお互いに助け合うことができるという同盟にこれは変わったわけでありまして、そして同時に、これはガイドラインを改定した中にあっては、実務の面において、これ、はるかに、はるかに、先ほど申し上げましたように、情報の提供が進み、実際にこれ現場でそれは起こっているわけでありまして、私はこれ決してうそをついているわけではないわけでありまして、実際にハリス司令官もそう述べているわけでありまして、これはアメリカの側に立てば当然のことであって、まさにお互いに助け合うことのできる同盟はそのきずなを強くした証左ではないかと、こう考えているところでございます。
前川清成 総理、日本とアメリカは相互に防衛し合う関係になるわけですか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 今、防衛し合うということではなくて、三要件の中で当てはまれば、当てはまれば我々はまさに集団的自衛権の行使をする。それは例えば、先ほど、昨日も申し上げたんですが、北朝鮮からのミサイル発射に対して対応している米国のイージス艦を、我々は、この三要件に当てはまって、法的要件が当てはまればそれを守ることができるようになるわけでありまして、今まではそれができなかったわけでありまして、そこにやはり米国側は、米国側としては、そうであったとしても我々を守ることができないのかということであれば、それよりも、それが可能となるということについては、これは大きく同盟のきずなは強くなっていくわけであります。
 もちろん、日米安保上、五条で米国が我が国に対する防衛義務、そして六条では我々が基地を提供しています。これも大変なことでありますから、そこで双務性はあると、こう認識をしておりますが、それプラス、それプラスですね、それに更に加えて、やはり今回の法改正によって、当然これは誰が考えてもきずなが強くなるわけであります。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛にお願いします。
内閣総理大臣安倍晋三君) 済みません、ちょっと、今、私の質問に前川さん、なかなか聞こえないというしぐさをしておられます。これ、皆さんのやじで聞こえないんですから静かにしていただきたいと思いますが、まさにこの意味において、我々のこの法の整備によって、菅官房長官が答えているように、まさに同盟のきずなは強化されたと、こういうことでございます。
前川清成 今の総理のお答えは、日本とアメリカが相互に守り合う関係には立たないけれども、日本とアメリカ軍とが相互に助け合う、守り合う関係に立ったと、こういうことなんですか。
内閣総理大臣安倍晋三君) そんなことは述べていないわけでありまして、言わば日本と米国との関係においては、言わば三要件に当てはまれば我々は米国の艦船をこの度の法改正によって守ることができるようになった。しかし、それは、日本を守るためであればお互いに助け合うことができる同盟となったということでありまして、米国側はそのように認識をしているわけでありますから、当然きずなは強化をされた、ハリス司令官はそのように述べていて、事実、先般のミサイル発射に対して、弾道ミサイル発射に対して、はるかに以前よりも情報の共有、対応に対する協力は進んだのは事実でありまして、これを廃止すれば大きく日米の同盟のきずなは毀損されると、このように思います。
前川清成 私は、この安保法、司令官がああ言ったこう言ったとか、個人的な問題ではなくて国家間の問題だと思いますし、それと、気分の問題ではなくて、やはり法律にどのように定めてあるか、法律の要件の問題だろうと思います。
 その上で総理、お尋ねしたいのは、今年の年頭、憲法改正についてであります。憲法改正を争点にするというふうに総理おっしゃいますが、九番のパネルを御覧いただきたいと思います。総理はこれまで、特定秘密保護法のときも集団的自衛権のときも選挙の公約には書かれていなかったんです。しかし、選挙後は信任を受けたということで突っ込んでおられます。
 今回、新聞報道によると、参議院選挙のマニフェスト自民党マニフェスト、公約はアベノミクス一億総活躍だというふうに書かれています。選挙のときに堂々と公約に憲法改正を掲げて訴えられるんでしょうか。
○委員長(岸宏一君) 時間が来ておりますから、簡潔にお願いします。
内閣総理大臣安倍晋三君) はい。
 今までも公約でお示しをしておりますが、これからも公約に掲げて、国民に分かりやすい主張をしていきたいと、こう考えております。
前川清成 時間がなくなりましたので、これで終わりたいと思いますが、最後に総理に申し上げたいのが、ベルギーで痛ましいテロが起こりました。なぜテロが起こったのか。テロを断じて許してはならない、私も総理も同じ気持ちです。しかし、頑張っても越えられない格差、頑張ってもどうしようもない貧困、それが私はテロに追い立てたんだと思います。格差をなくすために御努力をお願いしたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で前川清成君の質疑は終了いたしました。(拍手)