岸政彦現象 仮 ニューアカのパロディ

岸政彦現象 (仮)

  • ニューアカが流行した時代に青春時代を送り、「トランス・イタリア・エクスプレス」(1985)をtwitter上で模倣する大学教員の事。       
  • 彼らを「売る」ために持ち上げる編集者と営業マンと知識人文化人のtwitter上の「ふれあい」の事。本人のtwitterしか見ないでいると仲間褒めでどんなにすばらしいかと錯覚する事。
  •  18歳人口の減少と出版不況を恐れた本屋(大学生向け・学術専門)がくだらない本を、さも「現代の知」のように宣伝する事。

 老婆心ですが、1965年生まれ以降80年代ニューアカブームの時若者だった人が人文系書く側に回っているので避けるべきパタン。知的虚栄心の高い若者にこうなりたいと思わせる人気の学者は一定数いつの時代にもいます。この文を読んだあなたが現代哲学や流行りの現代批評家が好きな若者ならそれでいいのよ。ただ「知識人階級」に学術書を商業出版物のように売り出す事、高楊枝のような気概がほしかった。

参考文献 高田理惠子著 グロテスクな教養 (ちくま新書(539))

第三章 出版社、この教養の敵

P158✝ 表紙に人の名前がぱーっとある

P160✝ ライバルは浅田彰

P163✝ トランス・イタリア・エクスプレス

P171✝ 花咲く業績のかげに(の部分だけ引用します)

(略)著名学者でも、自分の抱えるオーバー・ドクターを、「老舗人文書出版社」の出すアンソロジーや共訳者のなかにギューギュー押し込んで業績作りに手を貸してやったり、科研(文科省科学研究費補助金)の出版助成金でまかなう共同研究の成果や何かのお金で招待せざるをえなかった外国人学者の講演集の翻訳をなるべく立派な業績に化けさせたりするのに、出版社および編集者との連携は欠かせないと想像できる。これは、非難でも暴露(大学関係者なら誰でも知っている)でもなく、現在の状況では致し方のないことであるのを強調したい。大学の形式的業績主義と若い人文系研究者の就職難と人文系出版社の苦しい事情とが、いま、教養の灯りをまた一つ消そうとしている。

 なるほどね…。

質的社会調査の方法 -- 他者の合理性の理解社会学 (有斐閣ストゥディア)

 

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