講談社ブルーバックス「脳からみた自閉症「障害」と「個性」のあいだ」書評
価格と手に取りやすい大きさで大衆向けの本にもかかわらず、遺伝について割と踏み込んだことが書いてあったとわたしは感じた。生殖についても紙面を割いてあったのも攻めてる内容であると思った。ここ数年の話だが「卵子が’’劣化’’するから女は早く子供を生め」「女性手帳」など雑な主張が自民党から出ている日本で、この本での精子についての話は新鮮であった。
東北大の田中重人先生という方が、女性への「少子化対策」について社会学の分野で研究しているのですが、この著者の大隅典子先生と同じ大学なのですね。なんで「男の精子も劣化するぞ」と政府(の官僚の文章)も自民党の議員も言わないのかぁ?
TANAKA Sigeto(@twremcat)さん | Twitter
私の感想として、自閉症は後30年くらいしたら、’’治療’’できる病になるのではないかなと思った。その一筋の光明が見えた研究の第一段階について書いてある本という理解の仕方を私はした。
今から30年前は、癌は不治の病であった。なのでかわいそうだからと本人に告げなかった。がん告知、「インフォームドコンセント」「セカンドオピニオン」といった言葉が出てきたのは、癌やその他の病気に対して研究が進んで早期発見、手術・治療法があって選べるようになったからで、医学の目覚ましい発展のおかげである。
今現在自閉症スペクトラムで苦しんでいる人の内面を救う内容のものではないです。