太田出版atプラス28岸政彦著「タバコとココアー「人間に関する理論のために」」書評

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 琉球大上間陽子先生へ 沖縄の人達や、世界の女性たちへ

私は岸政彦先生の生涯学習の受講生の者です。奈良の生まれの者には、ヤマトンチュというコトバは私達を指している。東京にはない感覚。

 彼は、手榴弾とマンゴーやタバコとココアについて2回目の授業で話しました。語り手が、鉄の暴風雨から逃げまどった先の山中でひまだからタバコを葉から手作りした事、もてなすために剥いてくれたマンゴーが「そう、これぐらいのおおきさ」の手榴弾にそっくりだったこと、悲惨な戦争の中での、フト一息ついた瞬間の時間のことを「面白おかしく」語ってくれましたよ…。

 

 通過儀礼のごとくレイプされた少女が友達の家に来てシャワーを浴びさせてくれと頼む。とびっきりココアを甘く作ってマシュマロをトッピングしてあげた…。面白おかしく語っておられましたよ…。何をそんなに笑いながら、にこやかに喋るのか、私には真意がわかりかねました…。

 悲惨な時間がずぅっと、’’has been’’であって、その中でいっときだけ落ち着ける時間。ホッとした一瞬が永遠にのびたり、つらい時がちぢんだりする記憶。日常の中に非日常のときがあり、また日常にもどる。非日常のことは過ぎた後もずうっと脳の中にあって今、ここ私が生きる時間を侵略する。それを言葉に彼は、あらわしたいのかなと思いました。

  

 私はあなたを、あなたがたを知らない。あなたも、私を知らない。私は、沖縄の貧困問題に苦しむ女性を、救わない。わたしはそれを自覚して書くね。私が書くことは、ナイチャーの無責任な放言です。次の文章は特にそれを自覚してます。